ウイング車とは
ウイング車とは、荷台の側面が鳥の翼のように広がるトラックです。広く開閉した左右からフォークリフトでの積み下ろしが可能になるため、効率的に作業ができます。
サイズは主に小型(2t)、中型(4t)、大型(10t)で、ボディの開き方にも3タイプあります。作業効率を格段に上げることができるウイング車は、運輸業や引越専門業などさまざまな業界で活用されています。
ウイング車の特徴
ウイング車は、荷台の側面が鳥の翼のように広げられる特徴から、ウイング(wing=鳥の翼、航空機の羽)車と呼ばれています。アルミ製の箱ですっぽりと積み荷を覆う構造で、大切な積み荷を雨風からしっかりと守ることができます。
積み荷を下ろすときは、荷台を鳥の翼のように広げて開閉できるため、フォークリフトを利用して左右からの積み下ろし作業が可能です。
ウイング車のメリット
ウイング車のメリットは、フォークリフトでの積み下ろしが効率的にできる点です。
通常のトラックは荷台の後方部しか開閉しないため、手作業でしか積み下ろし作業ができません。しかしウイング車の場合は、側面が左右に大きく開閉するため、フォークリフトを使用しての積み下ろし作業が可能になります。
手作業での積み下ろしが困難な量・サイズの荷物でも効率的に積み下ろしができるほか、雨風から積み荷を守れるというメリットもあります

ウイング車のデメリット
ウイング車で運ばれた荷物は、基本的にフォークリフトを使用しての積み下ろし作業が必要です。そのため、十分な作業スペースが必要になります。車両上部にも広い空間が必要になるため、天井が低い場所ではウイングを開放できないデメリットがあります。
また、ウイングの開閉のために必要な機材を搭載しているため、積載重量が減少する点も留意が必要です。
ボディの開き方は3タイプ
ウイングボディの開き方には3つのタイプがあります。積み荷の種類や積み方、積み下ろし作業スペースなどによって使い分けられています。
①フレキシブルオープンタイプ
フレキシブルオープンタイプは、作業現場の環境に応じてウイングのオープン方向や角度を柔軟に変更できる特徴を持っています。
ウイングの開閉角度は細かく調整できるため、作業スペースの制約がある場合に最適です。
クレーンを使用する場合はウイングを垂直位置までオープンにしたり、天井が低い倉庫内ではサイドのみを全開にするなど、あらゆる状況にフレキシブルに対応できる特性を持つ車両です
②ターンオーバータイプ
ターンオーバータイプは、片側のウイングが広い角度で開閉できる特徴を持っています。車体の片側側面は約160度まで開閉可能なため、天井部分が開く形になります。そのため、クレーンを使用した積み下ろしが可能です。
③上昇開閉タイプ
上昇開閉タイプは、天井が上昇するアルミウイングを備えています。天井が上昇することで、積み下ろし時に高さに余白が生まれます。そのため、荷物をギリギリの高さまで効率的に積み込むことが可能です。
以上のように、ウイング車のメリット・デメリットやボディの開き方の特徴などを踏まえ、作業内容に最適なタイプを選ぶと、作業効率を大幅に改善することができます。