「白タク」のニュースを見て
みなさんは「白タク」という言葉を知っているでしょうか?
白タクというのは、ナンバープレートが白色のタクシーの略です。そもそもタクシーは営業許可を取得し緑色のナンバープレートをつけないと、お客さんを乗せて料金を頂くことはできません。白タク行為=違法行為ということになります。
昨日、テレビを見ていたらタクシーなどの業界の方が日比谷公会堂に入りきれないくらい集まり決起集会をしたというニュースが流れていました。集会の目的は、3月15日に「ライドシェア」に関する法案が閣議決定することに対し反対することでした。「ライドシェア」というのは自家用車を使い人を運ぶこと、つまり「白タク」行為になります。
政府は過疎地などの公共交通やタクシーがない交通空白地帯解消のために、「ライドシェア」について地域を限定し許可する方向で動いているそうです。
実は今、世界中で、白タクが合法化されています。UBERという配車アプリが白タク合法化を加速化させました。アメリカでも当初、既存のタクシー業者が白タクの参入を反対し、裁判を起こしたりしていたそうですが、のちに合法化され、今ではタクシー業界が大きな影響を受けているそうです。
ふと、昔アマゾンドットコムがネットで本を売り始めた時のことを思い出しました。アマゾンが本を売りだした時、世間は誰がネットで本を買うのだろうかと懐疑的でした。しかし今はどうでしょうか。アマゾンは世界最大級の本屋になってしまいました。そして、kindleという電子書籍端末を発売した時、日本の出版社は最初抵抗していましたが、今では買えない本の方が少なくなりました。
日本の書店数は2000年⇨2015年で約63%になっています。
情報化の波が様々な業界に大きな変化もたらしています。
遅かれ早かれ数年以内にはタクシー業界も大きな変化があるのではないかと思います。この変化を一気に加速させるポイントは『安全』だと思います。自動車の安全技術が近年急速に進んでいて、今後タクシードライバーの優位性が低下していくと考えます。運送業界も対岸の火事ではありません。
今まで何十年も続いてきた業態があっという間になくなってしまう時代になってしまったようです。川の流れと同じように大きな流れは変えられません。
どんな業種であろうが、外部環境の変化をしっかりと感じとり、未来における自分たちのあり方を常に意識していかなければいけないと考えさせられるニュースでした。
専務取締役 吉田 章